ローズウッドについて
銘木の中でも希少性、多種性や材の質において世界中で高級木として認められているローズウッドについてご紹介します。
ローズウッドは国内では紫檀の名で流通している木材に代表される同種の仲間となります。
学名はDalbergia ~種です。
現在ローズウッド種には入手困難な物も含まれており全てを紹介することはできませんし、今後も叶うことが無いと思われます。
ですので、市場性や材の特性などを現段階での情報として整理し、残そうと思い記事にしました。
※この記事は状況変化や訂正などの理由により予告なく変更される可能性があります
ローズウッドの種類の一部
①本紫檀
②ブラジリアンローズウッド
③ココボロ
④キングウッド
⑤チューリップウッド
⑥グラナディラ(アフリカンブラックウッド)
⑦インディアンローズウッド(ソノケリンも含みます)
⑧マダガスカルローズウッド
⑨チンチャン(手違い紫檀)
⑩ホンジュラスローズウッド
⑪その他のローズウッド
では、①から順番に紹介したいと思います。
※削った感触や香りについての記事は主観となります、また同じ種類の木であっても個体差が有り全ての例に当てはまらないケースがあります。
①本紫檀 ホンシタン dalbergia cochinchinensis(ダルベルギアコーチンチネンシス)
本紫檀は仏壇や家具に使われる高級材です。色は明るい薄茶色~焦げ茶色(深い紫と表現される場合もありますが当方そのような繊細な感受性を持ち合わてないのが残念)です。
材はもちろん硬質ですが、旋盤加工にはこの硬さが逆に良く加工中に材の変形が少なく安定して削ることができます。またチャックでの固定も安定します。
ただし、表面の仕上がりについては加工中に逆目部分がどうしても毟れてしまう場合があり仕上げが難しい面もあります。
硬さはローズウッドの中でも上位となり手加工の場合かなりの労力を必要とします。
水に入れると沈みます。 たまに水面直下に浮くような材もあることから比重は1.00を境に多少バラツキがあると思われます。
香りの強さはローズウッドの中で当サイトとしての標準として定めます。少しリッチな感じで貴婦人と言ったところでしょうか。
この香りに不快感を持たれる方は少ないと思われます。
叩いた時の音質は高音です。体感した硬さがそのまま音質に現れます。
加工実績
ペーパーナイフ
すりこ木(ペストル)
調味料入れ
リールシート
万年筆、ボールペン
など
②ブラジリアンローズウッド dalbergia nigra(ダルベルギアニグラ)

ジャカランダやハカランダとして有名な希少材です。現在ではほぼ入手出来ない事から持ち合わせておりません。
お試しで入手することができました。
木質は硬めで張りが強い感じがします。
香りはローズウッドの中では好みな方ではありません。
木工愛好家の方は見かける機会がありましたら購入されることをお勧めします。
銘木を購入し始めた当初はまだ購入可能だったので後悔している次第です。
情報が多いので良杢の写真を検索すると見つけやすいので是非ご覧になってください。
③ココボロ dalbergia retusa(ダルベルギアレトゥサ)
ココボロもかなり流通量が少なく希少になりました。
ローズウッドの中でも濃淡のあるオレンジに黒い筋模様が入った独特の美しさがあり、見ただけでココボロと分かる木目は代替できないほど個性的です。
この黒い筋は突然下から現れるような複雑さが特徴で、まるでレイヤーを重ねたような見た目です。
削った時は顔料のようなオレンジ色の粉が出ます。
時間経過と共に濃色に変化し、深みのある小豆色になります。
硬さはローズウッドの中でも硬質の部類入り加工には手間と時間がかかります。また油分が多いことからヤスリの目も詰まりやすい事が加工が大変な理由のひとつです。
さらに加工途中での香りも、この種の中ではあまり良いとは言えずマスクをして作業した方が良いでしょう。
ただ「あまり良い香りではないがたまに嗅ぎたくなる」類のもので悪臭とは言えず表現が難しいところです。ローズウッドに南米の情熱を混ぜたような香りです。
加工実績
バターナイフ
カッティングボード
④キングウッド dalbergia cearensis(ダルベルギアシーレンシス)
こちらも入手が難しくなりました。
濃淡がはっきりとしていてキレイな筋模様が見られます。優雅な木目は高級素材に相応しく装飾に利用される理由がわかります。10年以上前に樹種を増やしたい時期に購入しましたが、その後巡りあわせが全くありません。
香りは本紫檀をより癖を無くして若干弱くした感じ。長い時間嗅いでも苦になりません。
香りも木目も優等生です。
加工実績
アクセサリー
⑤チューリップウッド dalbergia frutescens(ダルベルギアフルーテセンス)
明るいアイボリーの生地にピンクのストライプが入った縞模様が特徴的です。ローズウッドの中では淡色系は本種のみとなっており貴重です。
その色合いから軽量に感じられるかも知れませんが、そこはローズウッド仲間、ずっしりとした重量感は変わりません。
ごく細かい縮杢のようなものが入っていて小物でも映えます。
材は財として持っていて残りは加工せずに家宝にします。
香りの強さはほんの少だけ弱い部類ですが、最も爽やかで軽やかです。チューリップウッドアロマを販売してくれたら買いたいですね。どちらかのメーカーさんで検討していただけないでしょうか?
加工実績
アクセサリー
簡易印鑑のボディ
ラテアートピック
⑥グラナディラ(アフリカンブラックウッド) dalbergia melanoxylon(ダルベルギアメラノキシロン)
黒檀のような見た目ですがちゃんとローズウッドの仲間です。
うっすら海苔のような香りがします。個体によってはローズウッドのような香りがする物もあって不思議です。
真っ黒の木は意外と少なく貴重です。
硬く芯材は密であり仕上がりも良いので機械での加工もし易いです。
入手性も良いので黒い木をお探しで黒檀にこだわりがない場合はこちらが良いでしょう。
⑦インディアンローズウッド(ソノケリン含む) dalbergia latifolia(ダルベルギアラティフォリア)

indian rosewood sonokeling
ローズウッドの中では柔らかく、軽い部類に入るでしょう。
その分加工し易く木工を楽しまれる方には使いやすい種となります。
逆目には注意が必要です。
色は紫成分を抜いたような茶色で、うっすら緑色も混じります。
筋の部分に黒っぽい色が入ります。
香りはオリエンタルエキゾチックフレグランスです。本紫檀にオリエンタル風味をプラスしたような感じです。
⑧マダガスカルローズウッド dalbergia baronii(ダルベルギアバロニー)

マダガスカル産のローズウッド
本紫檀、ココボロに次ぐ硬さでホンジュラスローズウッドと同程度です。
色合いは本種の中にも数種あって様々です。
baronii種は深い紫色でとても美しいですがマダガスカル産の中ではmaritima種に次いで数が少ないと推測されます。
マダガスカルローズウッドには大変多くの種類が有り学名が何になるのか個人での特定は困難な事がわかりましたので訂正します。
代表でbaroniiとさせて頂きその他の学名は以下に紹介します。
dalbergia maritima
dalbergia occulta
dalbergia madagascariensis
dalbergia monticola
dalbergia greveana
dalbergia humbertii
dalbergia louvelii (卢氏黑黄檀)
これだけの種類を正確に分類するのは無理ですね。
経験や正確な種のサンプルを多く持つことが出来れば分かるのかも知れませんが、現在のローズウッド市場を考えるとほぼ不可能でしょう。本国でサンプルを作るようなことが有れば是非拝見したいですね。
表面は平滑でツルツルです。他種よりも油分が多いのかもしれません。
香りの強さは普通程度でローズウッドらしい香りがします。
ちなみに手持ちの材を実測して比重を確認してみましたがほぼ全ての個体で1.0を超えておりました。
加工実績
カッティングボード
丸棒
⑨チンチャン(手違い紫檀) dalbergia oliveri(ダルベルギアオリヴェリ)
本紫檀と比べると明るい色です。
ローズウッドの仲間らしい黒い筋が入った木目の個体も見られます。
こちらは収集当初から価格の割にとても良材で気に入っていましたので少しづつ買い続けています。
「手違い」との名前からdalbergiaではなく〇〇紫檀のような商品名かと思っていましたが立派なローズウッドの仲間でした。まあ削った香りはローズウッドそのものなんですが。他種でもそのような香りがする場合あるかも知れないし・・・程度に捉えており深く考えもしませんした。
ローズウッドが全体的に価格上昇傾向で求めやすい価格ではなくなってしまいました。
香りは生八つ橋に近く、木の香りとしてはかなり良いです。
失敗したまな板を猫のエサ箱の下敷に使っておりますが贅沢ですね。
ローズウッドが欲しい方がいらっしゃれば先ずお勧めしたいのがこのチンチャンです。
加工実績
丸棒
万年筆
ボールペン
リールシート
カッティングボード
アクセサリー
⑩ホンジュラスローズウッドdalbergia stevensonii(ダルベルギアステーヴンソナイ)

朱色に近い明るい色のものが多く、良杢はほぼ見かけなくなりました。硬さはインディアンローズより少し硬い位で、加工はしやすい感じです。
良材はローズウッドの中でもかなり硬い方です。
香りの強さは本紫檀より若干弱めです。
明るい赤っぽい木を好まれる場合はオススメできます。
加工実績
丸棒
ボールペン
アクセサリー
⑪その他のローズウッド
シッソノキ dalbergia sissoo
こちらはタイ人の知り合いにリサーチをお願いしてます。
ほぼ購入することはできないでしょう。
アマゾンローズウッド dalbergia spruceana
あまり情報が有りませんが最近全く聞かなくなりました。
もう入手できないかも知れません。
ニオイシタン dalbergia odorifera
海南黄花梨(ハイナンファンファーリー)
こちらは超高級材となります。世界一(nigraよりも)手に入りにくいローズウッドでしょう。
知り合いの中国の方に一般的な入手性を確認したところ、かなり難しいそうです。
販売されていても「価格応談」のような状況となっており時価取引となりそうです。
ただし木材として確認してもらった情報ですので加工された製品としてのニオイシタンは高価でありながら流通はしているようです。
中国でも南方に多いので北部の方にはあまり馴染みもないようです。
加工した感じや香りを自分で確かめてみたいローズウッドです。
もし加工されたり、香りをご存じの方がいらしゃればコメントをお待ちしております。
dalbergia tonkinensis(VÒNG GỖ SƯA ĐỎ)
ベトナムのローズウッドでこちらもリサーチ中です。
パナマローズウッド dalbergia tucurensis